《 能 取 湖 》
北海道東部、オホーツク海に面した潟湖(せきこ)。網走市に属する。東西を北見山地末端部の丘陵が囲み、西から延びた砂州によってオホーツク海と隔てられている。面積は58.4平方キロ、周囲32キロ、最大水深23メートル、ほぼ円形で東北端で外海と通じている。かつては毎年秋の標砂により開口部が閉ざされ、融雪期に人工的に開けていたが、1977年(昭和52)永久湖口が完工した。
カレイ、コマイなどの漁獲があり、ホタテガイ、カキの養殖が行われる。網走国定公園の一部で、南西岸の卯原内(うばらない)付近にアッケシソウの群落(道指定天然記念物)があり、北岸の砂州には原生花園がある。南岸と西岸を国道238号が走っている。
《アッケシソウ(厚岸草)》 学名:Salicornia europaea L、アカザ科の一年草。
海水の出入りする砂地に生え、茎は高さ10〜35センチ、濃緑色、円柱形で関節があり、多数の枝を対生する。葉は関節部に対生し、鱗片状で基部は鞘状に合着する。
花期は8〜10月、花は枝端の葉腋のへこみに数個束生して穂状花序をつくり、両性。花披は菱形状卵形で小さく、雄しべ1,2本、子房は卵型で2本の花柱があり、果実は花披に包まれる。
北半球の塩性湿地に広く分布し、北海道、本州、四国に見られる。名は発見地、北海道厚岸の地名によるもので、秋に全草が赤くなるのでヤチ(谷地)サンゴの別名がある。