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《阿寒湖》 北海道東部、釧路支庁北部にある火山性の湖水
 周囲23.5キロ、面積12.7平方キロ、最大深度44.8メートル、水面標高420メートル。火山活動の為に形成された長径約24キロ、短径13キロの阿寒カルデラ中央部に雄阿寒岳(1371メートル)が噴出した後、周辺部の沈降と火山流出物の堰止めによって生まれた。南東隅から阿寒川が流出する。湖岸は出入が多く、湖中に大島、小島、ヤイタイ島、チウルイ島が浮かぶ。北東部のチウルイ川、キネタンペ川河口付近の水中にマリモが生息し、特別天然記念物に指定されている。湖水ではワカサギの養殖が行われる。阿寒国立公園の景勝地の一つで、エゾマツ、トドマツ、シラカバなどの針広混交林が湖岸に迫り、春のエゾムラサキツツジ、秋の紅葉が特に美しく、東方に雄阿寒岳、南西方に雌阿寒岳(1499メートル)、が聳える。南岸には阿寒湖畔温泉(単純泉、泉温約60℃)が湧出し、集落が開ける。国道240号が通じ、これより分かれる241で帯広、弟子屈(てしかが)と結ばれている。
SONY 『日本大百科全書』 より