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《 利尻礼文サロベツ国立公園 》
 北海道北部にある国立公園、日本海に浮かぶ利尻島、礼文島と北海道本島の稚内市から豊富町にかけて日本海沿いのサロベツ原野に指定されたもので、面積212.2平方キロ。1965年(昭和40)国定公園に指定、74年サロベ原野を加えて国立公園に昇格した。
 利尻島は円錐火山利尻山からなる火山島で、海上に美しい山容をそばたてる。公園区域は、山体の中腹以上と沓形岬、天望台、御岬(みさき)、オタドマリ沼、姫沼などの景勝地、南斜面のチシマザクラ自生地などが含まれる。
 礼文島は中央部の礼文岳(490メートル)を最高点とする丘陵と海岸段丘からなる比較的平坦な島で、西海岸は海食崖の発達が著しく、スコトン岬、とど島、西上泊海岸、桃岩などの景勝地がある。
 両島には、リシリソウ、リシリヒナゲシ、リシリリンドウ、レブンサイコ、レブンウスユキソウ、リシリヒトリなど両島の名をとった植物や昆虫も多い。
 サロベツ原野は総面積230平方キロの大湿原で、潟湖のペンケ沼(トー)、パンケ沼(トー)などが残り、原生花園では初夏、エゾカンゾウ、ワタスゲ、ヒオウギアヤメなどが咲き乱れる。サロベツ原野と日本海の間の数列の砂丘上には、トドマツ、シラカバ、ミズナラなどからなる稚咲内(わかさない)海岸砂丘林がある。
  SONY 『日本大百科全書』 より