エゾシカ（蝦夷鹿）Ezo deer、学名：Cervus nippon yesoensis 哺乳綱偶蹄目シカ科の動物

北海道の森林や原野に分布する。わが国に生息するシカのなかでは体や角がもっとも大きい。頭胴長１．５メートル、肩高１メートル、体重１００キロの個体もある。角は雄だけにあり、長さ７２〜８２センチ、普通は４枝で第一、第三、第四枝が長く、主軸は左右に広く開く。角は老若により異なるが、普通春に落角する。落角後は直ちに新しい角が発達し、８〜１０月に完成する。このころ交尾期に入り、雄は雌だけを集め小群をつくる。被毛は夏毛では黄赤色みが強く、胴体に白班がある。冬毛は灰褐色で白班がない。尻には通年白斑がみられる。食物は樹葉、草の茎葉、種子であるが、不足すれば樹皮まで食べる。妊娠期間は約８ケ月で、1産１子か２子を産む。

SONY　『日本大百科全書』　より