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羊蹄山
 北海道南西部、渡島半島の基部にある山。後志火山群の一つで、標高1893メートル。円錐状火山で蝦夷富士ともよばれる。後志支庁の倶知安町、ニセコ町、真狩村、喜茂別町、京極町の境界にある。基底は新第三系で、その上に輝石安山岩、紫蘇輝石安山岩がのる。頂上には周囲2キロの楕円形の火口がある。山体は放射谷により刻まれ、春先には崩壊が著しい。北西麓にある半月湖は爆裂火口跡とされる。
 標高650メートルまではナラ、ダケカンバなど、1050メートルまではエゾマツ、トドマツ、それ以上はハイマツで覆われ、モヤマエンレイソウ、コケモモなどの高山植物がみられる。植生の垂直分布の変化がよくわかり、「後方羊蹄山の高山植物帯」として国の天然記念物に指定されている。
 登山口は比羅夫口、真狩口、留産口、京極口がある。頂上からは洞爺湖、有珠山、ニセコアンヌプリなどが眺められ雄大である。山麓ではジャガイモ、アスパラガス、サトウダイコンなどを産す。
    SONY 『日本大百科全書』 より