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洞爺湖
 北海道南西部、内浦湾の近くにあるカルデラ湖。支笏洞爺国立公園の一中心。面積69.4平方キロ、周囲46キロ、水面標高83メートル、最深部179.7メートル
 新生代第四紀初期から数次の火山活動で多量の溶結凝灰岩を噴出して陥没しカルデラ湖ができ、その後中央火口丘中島の噴出により現在のドーナツ型となった。火山活動は現在も継続し、外輪山を構成する有珠火山の大有珠・小有珠、昭和新山、明治新山などは近年の活動によって生じたものである。
 1977年(昭和52)8月7日の有珠山の活動は、火山地震、噴出した軽石や火山灰、雨による泥流によって周辺に多大の被害を与えた。噴出物は洞爺湖にも多量に降下し、透明度17メートルの湖水も表面が真っ白に覆われた。
 湖畔には洞爺湖、壮瞥の両温泉があり、また中島には森林博物館があって、エゾシカが放牧されている。湖を一周する観光道路も整備されて年間約100万人の観光客がある。湖の周辺は、道内でも有数の気候温和な所で、米作、果樹。野菜栽培、酪農の行なわれる農村地域が展開する。
    SONY 『日本大百科全書』 より