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支笏湖
 北海道南西部、千歳市西部にある標識的カルデラ湖。周囲40キロ、面積77.3平方キロ、水面標高248メートル、最深部360メートルで国内第二の深さをもち、冬も氷結しない。
 約3万年前のビュルム氷期に大火山活動があり、その軽石流は札幌市南部、馬追丘陵東部にまで及んでいる。この溶結凝灰岩の噴出により、円形のカルデラが出来たが、その後、北部に恵庭岳、対称地点に風不死岳、樽前山が噴出し、繭型の湖岸となった。
 東側のカルデラ壁を破って千歳川が流出し、その出口付近に狭い平地があって観光ホテル、土産物店、バスセンターなどが立地するが、大部分はカルデラ壁が水面に迫って急崖をつくり、静寂な趣きを残している。
 1972年(昭和47)の札幌オリンピックのとき、北壁の恵庭岳が滑降コースになり、湖岸を決勝点としたが、その後撤去された。北側の湖岸に、伊藤、丸駒、オコタンの温泉が湧出し、湖上遊覧船で湖畔の基地と結ぶほか、湖畔道路、支笏湖国道などが利用される。阿寒湖から移入されたヒメマスの養殖が成功し、夏のチップ釣り(ヒメマスのアイヌ語)が名物になっている。     SONY 『日本大百科全書』 より