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足 摺 岬
 高知県土佐湾西端の岬で、東の室戸岬と対峙する。土佐清水市にあり、四国最南端の岬。
 付近は三段の段丘面をもつ隆起海岸で、岬端は80メートルほどの花崗岩海食断崖となり、海食洞も多く見られる。
 段丘上の傾斜面は、エバメガシ、トベラ、ハマサカキ、タブノキ、ツバキ、スダジイなどの常緑照葉樹を主とした天然の樹海をなし、ビロウ、アコウ、クワズイモなどの亜熱帯植物が南国的な岬景観を強調している。
 かつては灯台と四国霊場38番札所の金剛福寺が所在するのみであったが、第二次世界大戦後、観光地化に応じて、展望台、ツバキのトンネルの遊歩道なども整備され、旅館、ホテルの集積もみた。
 付近の段丘面は畑地に利用され、ツバキの防風垣をもつ集落が立地している。付近の海中には岩礁も多く、古来カツオなどの好漁場。足摺宇和海国立公園の中核拠点で、足摺スカイラインが通じる。
   SONY 日本大百科全書 より