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カタクリ (片栗)、学名:Erythronium japonicum Dcne
 ユリ科の球根性多年草。球根は鱗茎で白色の長楕円形。花茎は10〜20センチ。葉は普通二枚が花茎下部につき、長楕円形ないし楕円形で淡緑色。暗紫色の斑紋のあるものが多い。
 早春の雪解けとともに開花する。花は花茎の先に1、2個開き、花被は6枚。紅紫色で内側基部近くにW字状の斑紋がある。まれに白色花もある。
 全草をゆでて食用とするが、鱗茎から良質のデンプンをとり、かたくり粉と称したが、現在かたくり粉と称しているものの殆どはジャガイモデンプンである。薬草として強壮剤、胃腸薬、解毒剤に用いる。古名のカタカゴがカタコユリとなり、転化してカタクリとなったとされる。ほかにカゴ、イノシタ、ブンダイユリ、ハツユリの名もある。
    SONY 『日本大百科全書』 より