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インドからだよ〜ん-V

*** インドの冬 ***

インドも5回目なので次第に要領も分かってきて、荷物を飛行機に預ける際のオー バーチャージも取られなくなった。
そのコツの一つがスーツケースを使わずに荷物をダンボールに入れて預けること。
何せスーツケースだけで10キロ前後もあるのだから、30キロ制限の中では大き い。
10キロ分のオーバーチャージは三万円以上だから、会社が出して呉れると言っても その分で酒肴品やインド人が好きな豆類でも買えば、それこそダンボール一杯分位は 買えると言うものだ。
それに、スーツケースに入れなければならない物など、既に皆なインドに持って行っ てあるのだ。
下着や普段着は勿論、洗面具に浴用品に文房具類は大概あるし、孫の手や抄き挟み (但し未だ使った事なし。肝心の抄いて呉れる人が居ない)まであるのだ。
また、スーツケースをインドに持ち込んでも、帰りに入れて来る物が無いから、寧ろ 邪魔になる。

前回の帰国時、成田の税関チェックにて、スーツケースの中身は何かと聞かれたの で、「殆ど土産類です」と答えたら、怪訝な顔をしつつも中身を調べなかった。
そう言えばこの時は男性検査官だったが、一度女性検査官だった時、スーツケースを 開けさせられて、周りに手を差し入れ、「何か頼まれた物などありませんか」と形通 りの質問を受けたが、何も怪しい物は見つからず、「有難う御座いました」と言われ て通してくれた。
しかし、実はその時には、土産に困ってココナツ(椰子の実)を一つ、開けられた スーツケースのド真ん中に、ドテーンと洗濯物に包んで入れてあったのだった。
つまり植物検疫に引っ掛って放棄しなければならない物だった。
当時はその様な事は知らなかったから、女性検査官に開けさせられても平気の平左 だったが、知っていたら顔に出てバレちまったに違いない。

後日談だが、何度も税関検査を受けると慣れも出来てくるもので、日本じゃ食べられ ない安くて美味しいマンゴーを10個ほど、機内持ち込み用のスーツケースに入れて 帰国した事があった。
例によって他には大した荷物は無いから、シンガポール乗換えを楽にするためにスー ツケースは預けた。
しかし、荷物の乱暴な扱いを知っていたし、マンゴーから汁が出て匂っては税関でバ レてしまう。
そこで前もってシンガポールで蘭の花を二箱買い、此れは正規に植物検疫を受けたの だった。
引き取ったスーツケースからは心配した通りマンゴーの匂いが漂い出ている。
しかし蘭の甘い香りでカモフラージュし、そして男性検査官を選んで通関無事通過と なったのだった。
因みに10個のマンゴーのうち、ほぼ満足なのは半分で、残りは変形が酷くて土産に はならなかった。
やはり悪は成就せずだ。

成田から出かける観光客でダンボールを預ける人は少ないけれど、カルカッタ空港 じゃ立派なものだ。
現地の人は大概大きいカラフルなビニール袋(ピクニックで使う敷物で作った感じ) に真ん丸に詰め込んで転がして運んでいる。
これはこれで中身の重さだけだし、運ぶのも楽だし、第一入れ物は安いから、彼らに とっては最高最高。
福永法源の「法の華」会員じゃない、ヒンズー教徒も最高!最高!

それにしても、何度来てもカルカッタからサルボニ迄の道のりは短くなっていない し、道路は相変わらず穴ぼこだらけだ。
従って事故が多く、今回もトラック同士の正面衝突が二個所あり、運転席と荷台とが 折れ曲がって道路を塞いでいた。
あの様子じゃ運転手は助かるまい。
それに、道路の脇の田んぼに落ちて、見たくもない下腹を見せているトラックに、後 輪をそっくり外してしまい、犬がお座りしているが如くの格好のトラックが二台あっ た。
こんなに事故の多い街道を150個もの大きな木箱に入れた印刷機類が、よくも無事 でサルボニに運ばれたものと感心する。

正月明けのインドは昨年も経験しているので、インドに来る前の雪で、関宿から取手 の自宅まで9時間も掛ったのに比べると未だマシかと言う気持ちもあったけれど、正 直言ってインドも冬は寒い所だ。
昨年の経験を生かして、肌掛けと厚手のパジャマを準備したのだけれど、やはり毛布 一枚では寒い寒い。
部屋の温度は一日を通して18℃。
日本だと10月中旬で、山では紅葉する頃に毛布だけで寝ることを想像して貰いた い。
一応目覚しは掛けて寝るが、この一週間、目覚しは有っても無くても同じ事。
前の晩に特別ビールを沢山飲んだ訳でもないのに、生理的現象で目が覚めてしまう。
人間の身体って良く出来ているものだ。
こんな状態だから、暑くなる3月4月が恋しいが、それほど長くも居たくないし、仕 事を早く片づけて、やはり日本が恋しい!恋しい!

(オリジナル:1998.1.25、編集:2000.5.10)

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