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インドからだよ〜ん-V

*** 国際線 ***

2回目のインドは、行きも帰りも一泊余計に掛り、大事な時間を損したような、ホテ ルに只で宿泊出来て得したような、でもやっぱり予定と違って迷惑したのだった。
今度は三度目の正直で吉と出るか、やはり凶と出るか。
結果は、目的地のサルボニには無事に予定通り着いたので小吉と言った所だろうか。
しかし、その途中では色々とトラブルもあった。

我が家は成田から車で1時間の所。
出かける前にインターネットで成田の国際線発着状況を見た所、インドからの到着便 のAI306(エアー・インディア)も、その帰りの私が乗るインド行きの便のAI 309も、何の変更も無かった。

因みに次のアドレスをダブルクリックすると、成田のフライト・インフォメーション が表示される。
http://www.narita-airport.jp/jp/

珍しく定時に発着かと信じられない気持ちで成田に行った所がギッチョン、2時間1 0分の遅れで飛ぶのだとか。
家を出た時刻は通常ならAI306は成田に着く頃だし、仮にバンコックを2時間余 り遅れて出発したとしても、成田の到着遅れが判っている筈なのに、インターネット にその情報が出ないのは、何処が悪いのか。
JL便などの遅れは出ているから、国営AIの悪さに違いない。
今回も荷物は多く、スーツケースにダンボール箱が二つの手荷物と、鞄と手提げの機 内持ち込み荷物、更に仕事で業者から頼まれたダンボール二つを抱えて2時間も余分 に待つもの辛いもの。
折角妻の芳子と娘二人の女三人衆が送ってくれたのに、最後の食事位は一緒にと大枚 1500円(1個500円)を払って荷物一時預けに託した。
この費用はAIで負担して貰いたいもの。
搭乗手続きは早めに始まったが、超過荷物の扱いで結構時間を取られた。
前回は預けた荷物が43キロで、約4万円位払う筈だったが、便が1日遅れで無料に なった。
今回の総重量は何と72キロ。
そしてカウンター嬢は真面目と言うか几帳面と言うか融通が利かず、規程通り30キ ロを引いて超過の42キロに対して13万円余りを払えと言う。
「今回が3回目のインド行きで、何時もエアー・インディアを使っているのだよー」 と言っても何の効き目も無い。
そのうち年配の管理者風の男性が来て荷物の多さを見ながら「幾らかお負けして差し 上げたの?」と受け付け嬢に聞いていたので、「最初にお願いしたのですけどねー、 前回は行きも帰りも一日余計に掛っているんですから、引いて下さいよ」
「いゃー、痛い所を衝かれましたねー」と7キロマイナスで、それでも11万円で少 しお釣りが戻る位だった。

茲で、その後に何度も往復して判った荷物超過料金の仕組みとコツを紹介しておく。 エコノミー・クラスは20キロ迄の荷物(チェックド・バゲジと言う)、ビジネス・ クラスは30キロ迄預けられ、超過に対してキロ単位で料金請求があり、現金かカー ドで支払わないと搭乗券を渡してくれない。
キロ当り単価は、航空券代を体重50キロで割った位となっていて、成田〜カルカッ タの場合はキロ3200円位となる。
尚、エコノミーの機内持ち込みは2個まで10キロとなっているが、AI便等の一部 の外国航空会社は厳密にチェックされ、チェックイン・カウンターには8キロまでと 表示されている所もある。
しかし、これらはダンピング・チケットの場合であって、エコノミーでも通常料金チ ケットの場合は多少の融通が利く。
因みに、通常チケットでは、ビジネス・クラスに席の余裕があれば、申し入れによっ てビジネスクラスへアップグレード・サービス(座席、機内食など)を受けられる場 合がある。
ビジネスクラスのチェックド・バゲジの制限は30キロだが、JALやANAなら5 キロ位までのオーバーはOK。
但しバンコックやシンガポールで他社便に乗り継ぐ場合は、他社便部分を厳密に請求 される場合がある。
この点で一番サービスが良いのはTG(タイ航空)で、ビジネスだと50キロまでO K。
しかもバンコックから先もTGの場合で、乗り継ぎ便が翌日の場合や、乗り継ぎのT Gが満席で他社便に乗り継ぐ場合でもバンコック空港内のアマリ・ホテルを無料で泊 まれるので、カルカッタ行きの場合はTG−TGで向かう事が多くなった。
ビジネス・クラスの機内持込重量には殆ど制限はなく、持てるだけと考えていて良 い。
インドから来たお客の豪傑は、インドへ帰る時に超過料金を支払えないものだから、 両手両脇で持ちきれず、両足にも括りつけて、蟹股でのっしのっしと乗り込んで行っ た。 この場合、賢い遣り方として、一旦荷物の受け付けをした後に、5キロ程度の軽いも のや、10キロ程度でも大き目のケースに入れて機内持ちこみとしたものを、機長預 かりとして預けてしまう方法がある。
但しこの場合の引き取りはチェックド・バゲジと同じくコンベアからになる。 超過荷物で別料金の仕組みも判らないではないが、小錦クラスの乗客とフライ級乗客 とが同じ扱いは何とかならないかとは、フライ級を自称する相原参事の弁。

搭乗券を受け取り、空港利用税のチケットを買って(現在は搭乗券代に含まれてい る)パンチを受け、機内持ち込み荷物検査になる。
前回は鉄の塊(測定器)を持ち込んだので、バックの中を皆な出させられてしまっ た。
今回はその種の物を全て預けてしまった(だから11万円も余分に支払うはめになっ た)から、すんなり通れる筈だったのに、担当の女子が私の手提げを持って別の机に 行くではないか。
ガス・ライターは一人一個迄なのだと言う。
実は秋葉原の外国向け土産屋(ラオックス本店4〜7階)で、舞子などを図柄として 3個セット1000円のライターを3組買って来たのだった。
それを一個残して8個を没収(形の上では所有権放棄)は酷過ぎる。
「根拠は何なの?、誰が決めたの?帰りまで預かってくれないの?」と詰問すると、 何とか3個1セットだけは返してくれた。
帰国してからラオックスとエアー・インディアに抗議して2000円を返して貰わな くちゃ。

茲で更なる解説をすると、飛行機は8000〜10000メートル上空を飛ぶから当 然気圧も低い。
機内は圧力調整をしてると言っても0.5気圧位しかない。
これは機内で出される袋入りの摘みがパンパンに膨れていることから目でも判る。
従ってガスライターなどボンベ類は内外気圧差が大きくなって漏れ易いことになり、 安全上で一人一個と航空会社協定を結んでいるとのこと。
ラオックスは顧客無視の3個セット・販売をしていたが、空港内売店での土産ガスラ イターはガス抜きで販売しており、申し入れによってその場でガスを1個だけ入れて くれる。
抜け道を紹介しよう。
制限数は一人一個だから煙草を吸わない人でも同行者が居ればチェックの時だけ預 かって貰えば良い。
同行者が居なくても並んでチェックを受ける前に前後の人に頼んでも良い。
またガスライターは大きさと形とからX線検査で判るので、手荷物(チェックド・バ ゲジ)に入れても見つかってしまう。
100円ライターはプラスチック部分がX線を通すので、他の小物類と一緒にして 5〜6個入れても判り難い。

すったもんだして、やっと飛行機に乗れた。
エァー・インディアは度重なる遅れやトラブルで客が少なくなったのか、ビジネスク ラスに乗る人は少なくて、二階の禁煙席は18程あるシートで私を含めて二人しかい なかった。
そしたら、体格の良い中年アテンダントが来て、「二階はノーオペレーション」とか 言って下へ移動させられてしまった。
所がと言うか、当然と言うか、飛び立ってドリンクサービスが始まる間もなく、前の シートの二人がプカプカ煙草を吸い始めて匂いが此方に流れて来るではないか。
禁煙席のつもりだったので気分悪い。
プアー・イングリッシュ・スピーカーの私だが、ジャンボ・アテンダントにボーディ ングカードを示し、更に前の二人に目を遣って必死に訴えた。
そしたら言いたい事が通じたらしく、前の人に煙草を消して貰って、これでOKかと 言う仕種をして来たので、一応肯いたのだった。
しかし、煙草を吸いたい客はこれで収まる筈がない。
案の定、チーフらしい男性が来て、反対側の窓際の一番前の席に移れと言う。 ここは後ろにインドの女性客が乗っているだけで、近くに煙草を吸う人は居なかっ た。
そこへ移ると、今日はお客が少なく、二階には二人しか居ないからとか何とか言い訳 を言っている様だった。
それにしても、五月蝿(うるさ)い客だと思ったのか、迷惑を掛けたと思ったのか、 その後はジャンボ・スチュワーデスもチーフ・フライトアテンダントも色々と気を 遣って呉れたようで、頼みもしないビールのお代わりを持ってきたり、ナッツの袋を 一つだけ取ると、もう一つどうぞ、との仕種をしたりだった。

今回のプロジェクトでは契約によって往復の航空機はAIを使う事となっていて、予 め所定枚数分の航空券を支払っているので、関係者はやむを得ずAIに乗るしかない のだが、兎に角国営航空だけに評判が悪い。
もう一つ実例を紹介する。
プロジェクトメンバーの荒井参事が佐藤専務に同行してAIに乗った時の事。
ビジネス・クラスで寛いでいた所をファースト・クラスの専務に呼ばれた。
飛行機の中くらいは音楽でも聴きながら過ごして行きたかった荒井参事だが、仕事の 打ち合わせかと仕方なく呼ばれる侭にファーストクラスのエリアに入って行った。
ビジネス・クラスでも半分位の席しか埋まっていないから当然だが、ファースト・ク ラスでは専務の他は一人だけだった。
荒井参事は専務と通路を挟んだ席に座り、専務は荒井参事用にコーヒーをオーダーし た。
間も無く例によってジャンボ・スチュワーデスがコーヒーを持って来たが、其れを見 ていた男性のチーフ・アテンダントが浅黒い顔を真っ赤にし、「茲はお前の席ではな い。
コーヒーは呉れてやるから、直ぐにお前の席に戻れ」と言い放ったとか。
その勢いに専務も押されて何も言えなかったとか。
其れが、荒井参事の最後のAI便搭乗となった。

他にもエアコンが効かなくて暑かったり、効き過ぎて寒かったり、上の物入れから荷 物が落ちてきて5針も縫うことになったりと、兎に角AI便の悪さは尋常ではない。
しかしAI便愛好会メンバーも居ないではない。
ヘビースモーカーの人達だ。
今どき全席禁煙としていないのはAI便位だが、多少の悪さは煙草に換え難いと、契 約上のチケットを使い果たした後もAI便を利用する人が何名かいる。

尚、成田〜バンコック、又はシンガポールで一番評判が良いのはJALだろう。
一時はANAの評判がビジネスマンの中で一番良かったし、その前はシンガポール航 空が一番良かった。
日本人にとって何が良いかと言うと、先ずは日本語世界である事、日本料理が食べら れる事、日本語に吹き替えた映画を見れる事なので、英語好きの国際人はシンガポー ル航空(SQ)のチラリズムの方が良いかもしれない。

(オリジナル:1997年5月、編集:2000年4月26日)

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